活用事例
Web検定を使った内定者研修とは
株式会社サイバーエージェントで、Web検定を使った内定者研修を採用したきっかけから、実際採用してみてどうだったのかをお伺いしました。
長瀬 慶重さん
新規開発局 局長。新規開発局というWEB制作部門と、アメーバ事業本部というWebプロデュース部門を兼任で担当。
田口 弦矢さん
人事本部 シニアマネジャー。事業部支援および、育成・活性化を中心に全社および事業部の組織人材開発プロデューサーとして従事。
以下:
長瀬 慶重さん→長瀬
田口 弦矢さん→田口
Web検定の「Webリテラシー」を採用したきっかけを教えてください。
長瀬:サイバーエージェントの新卒採用は、技術者向け専門職と総合職のふたつに分かれています。アメーバ事業本部は総合職採用の学生が主なのですが、彼らはインターネットの知識が少ないために、「インターネットを使って何か面白いことがしたい」という夢はあるものの、理想で終わってしまうことが多いのです。ただ、新人研修でそこを教えるには時間も限られているため、限界があります。
そこで、インターネットの知識を総括したものがないだろうか?と探していたところ、見つけたのがWeb検定。なかでも「Webリテラシー」は、本来なら入社前に身につけていてほしい知識を身につけられると考えました。
また、Web検定でよいところは、「合格・不合格」がでるところですね。合否がはっきり見えることで、ゴールが明確になり、集中して知識を身に付けられるようになります。
これからインターネット業界で働きたいと考えている方にメッセージをお願いします
長瀬:「Webリテラシー」で身に付いた知識は、インターネット業界で働くために必要な最低限の知識となり、それが身に付くことで、言葉を理解し、社内の先輩やお客様とのコミュニケーションの助けとなります。
インターネット業界で働く限り、Webリテラシーの内容が理解できていないというのは恥ずかしいことですし、今後この世界で活躍していこうというのはまず難しいですね。
Webリテラシーの研修採用のきっかけは、現場サイドからの提案とのことですが
田口:はい、そうです。人事としても内容を確認しましたが、インターネットの最低限の知識を身につけられることが分かりましたので、導入に踏み切りました。人事の狙いとしては、2009年入社の内定者には、就業開始するまでの時間を利用して「Webリテラシー」を学習し、入社前に合格しておいてもらいたいと考えました。
研修に採用してみて、効果はありましたか?
田口:結果として、思った以上の効果があったのは、「僕、教えます」の声がたくさん出てきたことです。エンジニア職、デザイナー職の内定者が自分たちで問題集を作成し、勉強会をはじめました。また、それぞれの章ごとに用語集を作って配る内定者もいました。内定者交流会はいろいろありますが、普段とは違う知識の面で、いつもと違った人がリーダーシップをとることができているようです。
また、内定者や新入社員がWebリテラシーを学ぶことで、今後のキャリアを考えるためにも、自分の知識にプラスになり強みになり、視野も広がると思います。業務においても、先輩社員たちとの会話においても、新人にWebリテラシーの知識があることで、スムーズなコミュニケーションができるようになります。また、よい意味で先輩社員に対してのプレッシャーとなってくれますね。
今後のWeb検定に期待することを教えてください
長瀬:Web検定がWeb制作におけるスタンダードや軸となって、各企業の第一線で働いている人たちがうまく交流する機会ができてくると、よりWeb業界が発達してくるのではないかと思います。
田口:受験に挑む人のレベルに合わせて、Web検定もレベル別に分かれていたらいいですね。インターネット業界に入る前の内定者には、今のWebリテラシーの問題は少し難しいので、初級者編があるといいです。
最後に、Web検定を企業の内定者や新人研修として活用する場合、効果的な導入時期について教えていただきました
1. 入社前
比較的自由な時間が多い。検定は受験し、合格しなければならないのでゴールが明確で勉強しやすい。
2. 入社直後
配属前に合格していないと恥ずかしいという空気作りと、お互いが教えあう環境が作りやすい。
3. 入社半年後(実務をいくつか経験した頃)
わからないことがたくさんある状態で実務をこなす苦労を経験した後なので、スポンジのように知識を効率よく吸収できる。
とのことでした。
今回、サイバーエージェント様は1.の時期で導入され、2.の時期にも近い効果を得たというお話でしたが、実務に即した知識として習得しやすいのは、3.の時期の導入にするとより効果が期待できそうです。
内定者や新人向けの教育として、Web検定の活用を検討する際のご参考になれば幸いです。